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活動報告

第4回横浜グリーン購入ネットワーク企業見学会(太陽油脂株式会社)と動画

2011年 3月 31日

標記見学会を報告いたします。

 

 

長谷川取締役の太陽油脂株式会社の紹介動画

 

 

日時:平成23 1 31 日(月)

場所:太陽油脂株式会社 横浜市神奈川区守屋町2-7

講師:長谷川治氏(太陽油脂株式会社取締役 家庭品販促・開発部長)

報告: 稲葉雅哉(神奈川県中小企業団体中央会 連携開発部)

太陽油脂株式会社

太陽油脂株式会社

 

会社の概要説明と石鹸の実験では

石鹸は5,000 年前イラクで発見された。羊の肉を焼いた時に出た油が下に落ち、木の灰と化学結合したものであった。海外では石鹸を古代から利用していたが、日本で利用されるようになった時期は遅く、戦国時代に入ってからであった。当時、石鹸は庶民に手が出るものではなく、大名など限られた人間のみ利用できる高価なものでした。庶民にも利用できるようになったのは、明治時代に入ってからです。

石鹸の作り方は簡単です。油に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を混ぜることにより作成することができます。(ここで、ペットボトルに油とアルカリの水溶液を混ぜ、見学会参加者が振ることで、石鹸作成の実演を行う。)油と苛性ソーダを混ぜることで固形石鹸が、油と苛性カリ(水酸化カリウム)を混ぜることで液体石鹸が、油と消石灰(水酸化カルシウム)が混ぜることでカルシウム石鹸ができます。全体量の1%分の焼酎を入れることで、石鹸の固まり方が早くなります。

長谷川取締役による石鹸を作る実験

石鹸を作る実験(長谷川取締役)

 

企業の地域貢献として、地元小学校などで講習会を開催しています。今年度は4 月から1 月までの10 カ月間で108 回開催しました。講習会でも子供たちに振ってもらうことで、石鹸作成の実体験をしてもらっています。講師役は開発部員6名で行っています。

太陽油脂株式会社で採用している容器はリサイクルできる紙・プラスチック・ガラスを使用しています。また、液状石鹸は泡状ポンプを採用しています。普通のポンプはひと押しすると3g出てくるのに対し、泡状ポンプはひと押しで1gしか出てこず、使い過ぎを防ぐことができます。ただこれを採用することで、商品の販売量が下がり、売り上げが下がってしまうということが社内で危惧されました。ある調味料は瓶のふたの穴を大きくすることで、消費者の利用量を増加させ、売上を増加させたという話を聞いたことがあるが、それとは真逆の発想でした。ただ、自分としては環境や人にやさしい商品を作っている以上、目先の売り上げにとらわれることなく、企業・商品のブランドイメージを重視する必要があると感じていたため、反対者を説得し、発売にこぎ着けました。実際に翌年の売り上げは減少しました。しかし、口コミで商品の噂が広がることにより、売上は回復しただけでなく、3 倍増となった。今ではエンドユーザー以外にも話が広がり、販売店から直接、商品を置かしてほしいと持ちかけていただけます。向こうから話を持ちかけてくるので、対等な立場で取引を行うことができます。例えば、返品をすることはできないということや、他企業の商品と差別化を図るため、環境コーナーを設けて自社商品を陳列することの提案などを行うことができるのです。そうすることで、より自社の商品に特色をつけることができ、ブランド力の強化にもつながったといえます。

 

工場見学では

 

太陽油脂株式会社では業務用の油を販売しています。大手外食チェーンなどに販売しているため、多くの方が知らず知らずのうちに口にしていると思います。エネルギー源としてコージェネレーションシステム(熱電併給)を導入しています。導入の理由としてはコストダウンや環境に配慮すべきという時代の流れに沿ったため。初期投資は数億かかったが、エネルギー費は安く抑えることができています。売上は右肩上がりだったため、借金することなく設備投資を行えました。

屋上には太陽光発電も導入しています。太陽の恵みで育った植物の種からとれた植物油を原料に、太陽光発電で得られたエネルギーを利用して石鹸を製造しています。体にやさしいだけでなく、環境にもやさしい石鹸といえます。

工場内の施設は従業員の体に負担がかからないようにしています。例えば、箱詰めを行うため段ボールを移動させる際に、腰を痛めないように段差を作る冶具を利用しています。また、派遣社員を社員化しました。これは、社員のモチベーションを上げる効果があったと思います。

 

報告者所感―

大手の商品と比べると、中小企業の商品はブランド力ではかなわない。どうしても「たくさんある商品の中の1つ」として埋もれてしまいがちです。今回、太陽油脂株式会社を見学し、いかに商品競争力を上げていくか、ブランド力を上げていくか、多くの解決のヒントが散らばっていたと感じました。

環境面や体にもやさしいということをアピールすることだけでは差別化は難しい。企業としてどの様な理念を抱き、それが社員に浸透しているのか、また、その理念をどこまで貫くことができるのかということがその他大勢の企業との差別を図る上で、大きなキーポイントになっていると感じました。例えば泡状ポンプの採用も社員に企業理念が浸透していたからこそ、採用にこぎ着けたと言えます。こうした発想は、企業が社員の目線に立ち、社員の労働環境の改善などを行うことで、社員のモチベーションを上げ、また、企業と社員の一体感を高めることにより生まれていると感じました。

環境面だけでなく、経営面においても参考になる部分が多々ありました。特に、環境面なら環境だけに目を向け、「経営面に反映させる」・「環境を経営の一部と捉える」ことができない企業が多い中、太陽油脂は一つのモデルケースとなると感じました。

   稲葉雅哉(神奈川県中小企業団体中央会 連携開発部)

 

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